ストーカー行為はどこから?積極的アプローチとつきまといの違い

ストーカー行為とは、「つきまとい等」を繰り返すことを指します。
ストーカーは重大な犯罪です。
しかし、どこまでが正常なアプローチで、どこからがつきまといになるかよく知らない、という方は案外多いのではないかと思います。
今回は、ストーカー被害に遭ったとき、迷いなく訴え出ることができるように、また、自分が加害者にならないために、どこからがストーカー行為にあたるのか、をご紹介していきます。
それはストーカー行為です!どこからがつきまとい等の行為になる?

ストーカー規制法には、以下のようなつきまとい等を繰り返し行うと、ストーカー行為であると定められています。
1 つきまとい・待ち伏せ・押し掛け・うろつき等
待ち伏せをする、押しかける、家の周囲をうろつく、などはストーカー行為の要件にあてはまります。
昨今、個人情報はとても大事にされるようになりました。
ちょっと好きな相手を見にいっただけ、と考えるかもしれませんが、実際に自宅を特定され、なんとも思っていない相手が頻繁にうろつくようになる、待ち伏せされる、というようなことがあると、自宅に押し入られる可能性すら考えてしまうでしょう。
かなりの恐怖感が与えられる行為です。
2 監視していると告げる行為

相手が家に帰ったとたん、おかえり、と連絡をしたり、今日どこどこで〇〇を買っていたよね、と告げるなど、監視していたと告げるのは典型的なストーカーの行動です。
好きでもない相手に行動を逐一監視されたと知ったときの恐怖は、凄まじいものがあります。
行動を把握されているということは、いつ、危害を加えられるかわからないということでもあるのです。
3 面会や交際の要求
自分と会うことを要求したり、交際を求めたりすることは、つきまとい行為に該当します。
一度好意を告げるぐらいなら普通のことですが、断られたにも関わらず何度も何度も交際を求めるのは、相手の負担を無視した行為だと言えます。
4 乱暴な言動

乱暴な言動もつきまとい等の行為とみなされます。
腕を掴むなどの物理的な接触はもちろん、罵声を浴びせる、乱暴な言葉を使ったメールを送る、物に当たって大きな音を出し脅す、なども乱暴な言動になります。
5 無言電話、拒否後の連続した電話・ファクシミリ・電子メール・SNS等
無言電話やメール、LINE、SNSなどのメッセージを送り続けることも、嫌がらせ行為、つきまとい行為とみなされます。
特にSNS、メールなどは近年の法改正で追加されたものです。
インターネットが現在のように発達する以前は、ネット上に書き込まれた単なる悪口だとみなされていましたが、今ではSNSの書き込みであっても人命に関わる事件にまで発展しかねない、というのが常識になってきています。
警察などの公的機関がその気になれば、インターネットの匿名性など幻です。しつこく連絡をされて困っているのなら早急に警察に相談するべきですし、逆にばれないと思ってこのような行為をしているのならやめるべきだと言えます。
6 汚物等の送付

ストーカー行為のひとつに、汚物などを送付するなどの、嫌がらせ行為があげられます。
下着やゴミなどを送りつけたり、動物の死骸などを送りつけて怖がらせたり、といった行為は、悪質だとみなされることでしょう。
7 名誉を傷つける
〇〇の過去にはこういうことがあった、など、その情報の真偽はさておき、名誉を傷つけるような情報を流布した場合、罰せられます。
相手に対する執着心、そして、手に入らない苛立ちから、思うようにいかないことから相手を攻撃しようとすることがストーカーにはよくみられます。
8 性的しゅう恥心の侵害

性的ハラスメントを行い、相手を恥ずかしがらせたり、怒らせたり、不安にさせたりすることはストーカー行為だとみなされます。
あいてに卑猥な写真などを見せつけて反応をみようとするといった行為は悪質なストーカー行為です。
ストーカー行為と一般的なアプローチの違いとは?
ストーカー行為と一般的なアプローチの違いは、相手が嫌がっていることはしないということ、また、つきまとい行為をしないということです。
相手が積極的に情報開示していない限り、好きな人の家をつきとめたり、SNSを監視したり、しつこく手紙やものを送りつけたりしてはいけません。一回断られたら、あきらめましょう。
本当に相手のことが好きならば、好きでもない相手にアプローチされることが、相手にとってどれだけ負担になるかを想像できるはずでしょう。
恋愛をすることは問題ありませんが、相手を不快にしたり、恐怖心を感じさせたり、不安を与えたりするような関係にはならないように、最大限配慮をするべきです。
逆に、一度、あるいは何度も断ったにも関わらず、どうしても相手がつきまとい行為をやめてくれない、もしくは、心当たりもない誰かがずっと身辺につきまとっているなどのことがあれば、早急に警察に相談しましょう。
「こんなことで」と思われるかもしれませんが、今回ご紹介したとおり、人によってはほんの些細なことだと思ってしまうようなことでも、ストーカー行為の構成要件に当てはまることがあります。
自分と大切な人の身辺を守るため、第三者に助けを求めることは決して間違いでは有りません。