誰が不倫をする?子供の存在が不倫を抑制する?

誰が不倫をする?子供の存在が不倫を抑制する?

どのような人が不倫をしやすい。こういう属性の人は不倫をする。という探偵ブログは多いですね。今回は日本家族社会学会の機関誌「家族社会学研究」に投稿された論文と内閣府の世論調査、そして先日発表された積水ハウス株式会社 「イクメン白書 2020」 の3つをフュージョンさせて不倫はどんな人がしていくのかを考えていきましょう。

今回参照にする立教大学で社会情報教育研究センターにて助教をされている五十嵐彰氏が投稿した論文は、アメリカでは40年以上の不倫の研究データが蓄積されている一方、日本においては不倫を研究したデータはほぼ見当たらない中で、日本における不倫の要因と男女差を探っていくことを目的とした貴重な資料です。

日本ではどんな人が不倫をするのか

この研究の結果によると

①男女ともに学歴が高い人ほど不倫をしない傾向がある。

②男性は、収入が上がれば上がるほど不倫をする確率が高くなる。

③男性は、妻と比較して収入が低ければ低いほど不倫をする確率が高くなる。

④労働時間,夫婦間での会話頻度,性交渉の頻度,子どもの有無は不倫の抑制に効果的とは言えない。

ということが示されました。

恐ろしいことに、夫婦間の性交渉の頻度が高かったり、会話もよくして仲良かったり、子供がいるからといって不倫を抑制することにはならないんですね。データの理由については論文を直接参照してください。

調査を依頼される相談時に「休みは一緒に過ごしたり仲良く暮らしていたのに、数年前から浮気をしていたやりとりが見つかった」という内容は数多く聞くので実体験としても納得できます。

子供の存在が不倫を抑制するアメリカ

5カ国の家事分担度(リンナイ株式会社)

所で、40年以上の研究がなされているアメリカでは

不倫の大半は職場の同僚を相手にされていることや、日本とは異なり子供がいるカップルでは不倫の確率が低くなるという研究についても論文では触れています。

その理由として、子供がいる場合には、家事分担の一つとして子供のために時間を割くことが多くなり、不倫相手との時間を作ることができないため、浮気の確率は低くなるということです。

日本では子供の有無が不倫を抑制する効果がないのにアメリカでは不倫抑制の要因となっているのはなぜでしょうか。

それについて、日本では育児に関する夫婦負担の割合が極端に偏って(母親が主に行うことが多い)いるためではないかと考察しています。

実際に、2018年、リンナイ株式会社が日本・韓国・アメリカ・ドイツ・デンマークの5カ国のを対象に、「共働き」に関する意識調査を実施したデータによると、家事分担度はアメリカの93%に対して日本はわずか56%で5カ国で最下位でした。

未だに男性は仕事、女性は家庭という性別役割意識が根強いからだと考えられます。

その結果、夫婦に子供がいても妻に育児を任せて浮気が出来るので、子供の有無は不倫の抑制に効果がなかったのだと考えられます

内閣府による配偶者との役割分担

育児に対する配偶者との役割分担(内閣府)(https://survey.gov-online.go.jp/r01/r01-danjo/zh/z22.html)

内閣府の「男女共同参画社会に関する世論調査」(2019年度)によると

育児について、あなたと配偶者でどのように分担したいと思うか聞いたところ、

男性は「自分と配偶者で半分ずつ分担」「配偶者の方が自分より多く分担」と答えた者の割合が未だ高水準です。

女性は「自分の方が配偶者より多く分担」「外部サービスを利用しながら、それ以外は自分と配偶者で半分ずつ分担」と答えた者の割合が高くなっています。

積水ハウスの「イクメン白書2020」で佐賀県・熊本県・福岡県の九州勢がイクメン力の高い県として上位を独占しました。

しかしそれ以外の統計を見る限り育児の面では女性の負担が未だ高く、家事や育児が家庭内にあったとしても不倫をする抑制には繋がっていない現状は続きそうです。